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※2022年5月30日掲載

1.プロローグ
移住者の紹介

埼玉県本庄市に戸建住宅を購入し、2018年に東京より移住した鈴木さんご夫妻。
購入した自宅の1階で2021年に念願の定食カフェ「SUZUKIYA」をオープン。

移住して開業したきっかけや想い、現在の「新しい暮らし」について伺った。

移住を考えるきっかけ

20代前半に勤めていた職場が、クリエイティブな考え方を持った人の多い環境だったこともあり、周りの人たちから刺激を受け、東京を離れて自分で何か事業を始めたいと漠然と考えていた。そして、28歳頃に「飲食店を持ちたい」と具体的な夢を持つようになり、職業訓練校に半年間通い、その後は飲食業で10年ほど経験を積んだ。
物心ついたころから30年以上東京でビルに囲まれた暮らしをしていたため、あこがれだった古民家や日本家屋など、縁側があって店舗兼住宅として使える広さのある住まい探しを始めた。

2.移住に向けた第一歩
理想の物件との出会い

当初は、夫婦それぞれの実家がある東京と静岡の間で探していたが、条件に合った物件が見つからず、鈴木さんの妹が住んでいる埼玉県でも物件を探し始めた。
不動産情報サイトでこの物件を見つけ、写真からも惹かれるものがあり、実際に見てみたいと思った。初めて実際の建物を見て、お店のロゴにもなったシンボルツリーである松の木や憧れだった縁側もあり、第一印象で「ここに住みたい!」と思った。

移住の決め手

この物件は9LDKと部屋数が多く、広すぎるためなかなか買い手がつかなかったそうだが、 1階を店舗として利用する予定だったため、間取りも思い描いた条件にピッタリで、築35年でも手を加える必要がないほど建物がきれいだった。
また、子どもが生まれたことで、子どもにふるさとをつくってあげたいという想いからこの物件を購入して移住する決断をした。

3.新しい暮らし
移住後の生活

移住してからの数年は、本庄市で生活していくための基盤づくりと開業に向けた準備期間として暮らし、この地域で暮らす人の生活環境や価値観などを知るために、地元でも人気の飲食店に勤務して人脈などを広げていった。
陽の光が差し込んで朝や夜を感じられる日常や、陽がさせば冬でもポカポカと暖かい縁側がある生活が新鮮で嬉しかった。店に訪れたお客さまからも「実家に来たみたいで落ち着く」との声もいただいている。

移住して良かったこと

本庄市に移住して一番良かったのは、近くに学校や広くて大きな公園もあり、子育てにはとても良い環境だと感じたこと。
また、どこに行くにも交通の便がよく、生活する上で便利な場所。
産直センターで手に入る地元の野菜は安くておいしいく、子どもの食育にもなり、こういった食材が手に入るのは飲食店としてはありがたい。

開店と今後への思い

2021年のコロナ禍での開店だったが、「コロナ禍に対応した営業ができ、この壁を乗り越えることができれば成長できる」とポジティブに捉え、思い切って開店した。
今はまだ子どもも小さく夕方までの営業だが、今後は子どもの成長に合わせて営業時間を延ばしていきながら、地域に根付いたお店にしていきたい。
また、将来的には、先輩移住者や地域の人たちとイベントなどを開催し地域を盛り上げる活動にも挑戦していきたい。

4.移住して開業を考えている方へのアドバイス

実際に移住して感じたことは、今まで住んでいた場所とは、環境のほかにも地域のルールなどに違いがある。特に、商売をするなら地域のことはもちろん、そこに住む人の人柄や考え方を理解することが大事だと感じた。
憧れだけで移住をすると、生活や考え方の違いに戸惑うこともあると思うので、希望する地域があれば、その地域での生活を体験してみることなども勧めたい。

本庄市役所 企画政策部広報課
 ご担当さまより
■本庄市のご紹介

本庄市は、東京から80キロ圏内、埼玉県の西北部、群馬県との県境に位置しています。細長い形をしている本庄市ですが、エリアごとにさまざまな顔を持っていることが特徴です。昭和レトロな商店街や明治時代に建造された蔵が残る、どこかノスタルジックな本庄駅周辺エリア。上越新幹線本庄早稲田駅の開業に伴って開発が進められ、大型ショッピングモールやおしゃれなお店が集結する早稲田の杜エリア。それから、里山の風景や田園地帯と日常生活が共存する児玉町エリア。小さな市の中でも、自分に合った暮らし方を選ぶことができます。

また、新幹線駅以外にも、JR高崎線本庄駅、JR八高線児玉駅など在来線の駅を有しており、さらに、市の中心部には関越自動車道の本庄児玉ICがあります。こうした恵まれた交通網により、最短50分で都心にアクセス可能な好立地です。東京方面にも上信越方面にも、電車でも車でも、本庄市を拠点にどこへでもお出かけしやすい「レジャーベースタウン」として、休日をアクティブに過ごしたい方にもぴったりのまちです。

■本庄市の見どころ

川沿いを5キロにわたって咲き誇る「こだま千本桜」や小高い丘がマリーゴールドや芝桜で彩られる「マリーゴールドの丘公園」など、まちを彩る季節の花々は、本庄市を訪れた際には必見です。また、1年を通してさまざまな祭りが開かれている、熱気あふれるまちでもあります。9基の神輿がまちに繰り出して掛け声とともにぶつかり合う「ケンカみこし」が見どころの「こだま夏祭り」、絢爛豪華な10基の山車が巡行する中山道一の山車祭り「本庄まつり」など、歴史ある祭りがまちを盛り上げています。

■支援制度

市では、東京圏から本庄市に転入し、新規就業・起業やテレワークで業務継続をする方に、最大で130万円を交付する「本庄市移住就業等支援金」や、東京圏から本庄市に転入する18歳~29歳の方に、最大15万円を交付する「本庄市移住生活スタート応援金」などの制度を実施しています。 他にも、市内で新たに創業する方、創業から1年以内の方に最大10万円補助する「本庄市スタートアップ支援補助金」や、中心市街地の空き店舗を利用して営業を開始した事業主に対し、改装工事費の一部に補助金を交付する「中心市街地空き店舗対策補助制度」なども実施しています。

各制度の詳細については、本庄市ホームページをご確認ください。

地元の不動産会社、MK不動産 小山社長に聞いた本庄市

2022年に入って落ち着いてきた感はありますが、コロナ禍の影響で都内からの移住者は増え、2021年には中古住宅の在庫が不足していました。

本庄市は、新幹線を利用すれば東京まで約50分、在来線でも都心を経由し神奈川県の小田原まで1本で行けるなど交通の便がよく、軽井沢・草津・日光などの観光地へのアクセスも良いため、仕事にもレジャーにもちょうどいいところです。
自然災害も少ない気候で、東日本大震災の時も大きな被害があったという話は聞かなかったように、地盤も強く、災害にも強い地域です。

必要なものがコンパクトにまとまった本庄駅周辺エリア以外にも、区画整理された新興住宅地の本庄早稲田エリア、自然豊かで景観が良い本庄児玉エリアなど、それぞれの地域に特徴があります。どのエリアも生活に不便はなく、便利な田舎暮らしができる地域で、住むには良いところです。

市外の不動産会社に勤めていましたが、最後は自分の育った本庄市に経験と知識を還元したいと思い独立しました。
代替わりなどでの実家の売却など、地元の人からの相談が多く入ってきます。これからも、不動産の売却や活用で困っている地域の人や、物件を探している人のお手伝いをして、地元に貢献していきたいです。